2016.02.04

アメリカ合衆国:商標法第2条(a)を違憲とする判決

商標

アメリカ(米国)

判例

アメリカ合衆国:商標法第2条(a)を違憲とする判決


連邦巡回区控訴裁判所(Court of Appeals for the Federal Circuit)は、個人、団体、信仰若しくは国民的な象徴を侮辱する虞のある商標の登録を禁じた商標法第2条(a)の規定は合衆国憲法修正第1条に違反するとの判決を下しました。この事件は、「The Slants」という商標はアジア系の人々を侮辱するものとみなされる虞があるとして、商標法第2条(a)の規定により登録を拒絶した審決の取消を求めて争われたものです。連邦巡回区控訴裁判所は、政府が営利的言論を規制することはできるが、商標は営利的言論としての役割だけでなく表現的側面も持つものであるから、商標法第2条(a)の規定は有害な言論も含む表現の自由を保障した合衆国憲法修正第1条の規範に従属すると判示しました。商標「Redskins」を巡って本件と同様の事件が第4巡回控訴裁判所で争われています。第4巡回控訴裁判所は連邦巡回区控訴裁判所の判決に拘束されませんが、仮に商標法第2条(a)の規定が合憲であるとの判決が出た場合、事件は最高裁判所で争われることになりそうです。

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