2015.09.30

中国の独禁法関連事件の紹介(2)

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中国の独禁法関連事件の紹介(2)

中国国家発展改革委員会(中国独禁法当局の一つ)は、2015年2月10日に、米半導体大手のクアルコム社に対して独占禁止法違反を理由に過去最大となる制裁金として60億8800万元(約1150億円)の支払いを命じました。クアルコム社は、同社が中国で高いシェアを持つスマートフォン向けの通信技術を巡り、端末メーカーに対して不当な高額使用料を強いる等の違反行為を認め、当局に制裁金を支払い和解をしました。
 当該事件の行政処罰決定書によれば、クアルコム社は、当社所有の無線通信標準規格の必須特許に関するライセンス市場及び携帯電話や基地用ICチップ市場において高いシェア(いずれも90%超)を有し、このような市場支配的地位を利用することで、(1)不当に高いライセンス料の請求、(2)抱き合わせライセンスの締結、(3)チップ販売における不合理付加条件の強要といった濫用行為を行った点が認定されました。
 和解の2ヶ月経過後、中国独禁法当局の一つである中国工商行政管理総局により、知的財産権の行使に対する独禁法の適用規範として、「知的財産権濫用による競争排除・制限行為の禁止に関する規定」が公布されました。

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