2020.09.07

シンガポールにおける特許ファストトラックプログラムの商標出願及び意匠登録出願への拡大について

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シンガポールにおける特許ファストトラックプログラムの商標出願及び意匠登録出願への拡大について

 2020年5月4日、シンガポール知的財産庁(IPOS)は、シンガポールに最初に出願された全ての技術分野の特許出願を最短6ヶ月で許可するSG特許ファストトラックプログラムの試行を開始しました。このプログラムは、2020年9月1日から、商標出願および意匠登録出願の審査にも拡大され、「SG IPファストトラック」(SG IP FAST)と改称されます。
 
 特許出願に対するSG IP FASTの申請が認められた出願人は、「関連する」商標出願及び意匠登録出願に対するSG IP FASTを申請することができます。出願に係る商標および意匠が、特許出願に含まれる発明に関連して使用される場合、またはこの発明に関連する商品やサービスに使用される場合、出願は「関連する」とみなされます。
 
 SG IP FASTの下での審査スケジュールは以下の通りです。
・特許出願は最短6ヶ月で許可されます。
・オフィスアクション(OA)等のないスムーズな商標出願は最短3ヶ月、その他の商標出願は最短6ヶ月で許可されます。
・意匠登録出願は、最短1ヶ月で許可されます。
 
 特許出願のSG特許ファストトラックプログラムに関する現行の制限は、1ヶ月当たり5件(余力ある場合には10件)を上限とし、出願人1人当たり年間10件の特許出願を上限するものですが、SG IP FASTでもこの制限は変更されません。但し、SG IP FASTが可能な商標出願及び意匠登録出願の件数に上限はありません。
 
 現在のところ、特許出願、商標出願、意匠登録出願のSG IP FASTの申請には、手数料はかかりません。
 
 また、SG IP FASTは2022年4月29日に終了します。
 
 商標出願または意匠登録出願がSG IP FASTの対象となるためには、以下の基準を満たす必要があります。
1.出願人は、SG IP FASTが認められた特許出願をしていなければなりません。
2.商標出願または意匠登録出願は、特許出願のSG IP FASTが認められたことが出願人に通知されてから1ヶ月以内に行わなければなりません。
 
 また、商標出願および意匠登録出願について、SG IP FASTが認められるためには、それぞれ以下の要件を満たさなければなりません。
<商標出願>
a)出願に係る商品及び/又はサービスの指定は、IPOSで事前承認された分類データベースから完全に採用されていること。
b)シリーズ商標でないこと。
c)非伝統的な商標(例えば、3D形状マーク、包装の側面など)でないこと。
d)証明商標や団体商標ではないこと。
e)第1回目のOAで審査官が提示した拒絶理由が、OAから1ヶ月以内に提出する第1回目の応答書面ですべて解決されること。
f)第2回目のOAで審査官から指示されたとおりの対応(例えば、出願が登録許可されるための手続を取ること)を2週間以内に行うこと。
g)公告段階で異議を受けていないこと。
h)出願人が審査の途中で期間延長(EOT)を請求しないこと。
<意匠登録出願>
a)第1回目のOAで指摘された不備は、OA後2週間以内に提出する第1回目の応答書面で全て解決されること。
b)出願人がEOTを請求しないこと。
 

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