2025.12.22

アルゼンチンにおける商標登録手続の変更

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アルゼンチンにおける商標登録手続の変更

アルゼンチン知的財産庁は、同国における商標登録手続の大幅な変更を含む決議INPI P-583/25を官報に公示しました。新規則は職権審査の範囲と手続順序の両方を変更するものであり、新規商標出願の取り扱いと評価に直接的な影響を与えます。
アルゼンチンが特許協力条約(PCT)への早期加盟を検討している中で、この変更は知的財産分野における一連の広範なアップデートの最初のものとなる可能性があります。
以下は最も重要な点の要約です。

1. 職権審査の範囲
商標局による審査は次の範囲に限定されます。
(1) 絶対的拒絶理由、すなわち、標章が識別性を欠く場合、または商標の本質的機能に適合しない場合。
(2) コミュニティの利益の保護を目的とする公共秩序への配慮。
先行商標との類似性、個人名の使用、その他関連する状況など、第三者の先行する権利との潜在的な抵触については職権で審査されなくなります。これらの問題は、第三者が異議申立または取消訴訟を通じて提起した場合にのみ判断されることになります。

2. 手続順序の変更
商標登録手続の順序が変更されます。
(1) すべての方式要件が満たされている場合、出願の公告前に、方式審査および実体審査が実施されます。
(2) 拒絶理由がない場合、または拒絶理由が解消した場合に出願は認容され、商標公報に掲載されます。
(3) 法定異議申立期間である30日間が第三者からの異議申立無く経過すれば、商標は直ちに許可されます。
異議申立があった場合は関連規則に従って手続が継続されます。

3. 新しい審査基準の即時適用
職権審査の制限は即時発効し、手続段階に関係なく現在係属中のすべての商標出願に適用されます。

4. 新しい手続きの枠組みの発効
この変更は、知的財産庁がその実施のために必要なIT対応の準備を完了する予定である2026年3月1日に発効する予定です。

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