2022.03.21

マレーシアにおける特許法改正

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マレーシアにおける特許法改正

マレーシア特許庁は、2022年3月18日午前、法令改正を発表しました。同改正は同日に施行されました。

1. 2022年3月18日以降、新規に出願する場合は、法律に規定された最新の委任状が必要です。
なお、2022年3月18日以前に出願した案件については、出願時の委任状が引き続き有効となります。

2. 従来、失効した特許の回復の期間は、特許失効通知がマレーシア特許庁の公報に掲載された日から2年でしたが、12ヶ月に改定されました(§35(A)(1))。

3. 異議申立制度が新たに導入されました(§55A, §56A, §57(1), §79A(3))
従来、特許を無効にする裁判を提訴する制度がありますが(§56)、本改正によって、異議申立手続が係属中の場合には、利害関係者は、下記の場合を除き、特許を無効にする裁判を提訴できなくなります。
・異議申立手続の両当事者が無効化手続を裁判所に提起することに同意する場合
・利害関係者が侵害訴訟の被告である場合

4. 特許出願の特許性に関する事項について、所定の手数料を支払うことにより、誰でも見解を陳述する機会を付与されるようになりました(§34A)。
意見を陳述する際には、所定の期間内に、登録官が定める様式の書面に、見解の理由を記載して提出する必要があります。

5. ブダペスト条約に基づく法改正が行われました(§26c及び§78O(1A))。
これにより、特許出願又は国際出願をマレーシア特許庁に提出する前に、微生物が国内保管機関又は国際保管機関に寄託されると、特許出願における開示の要件を満たしたとみなされます。これにより、保護を求める各国において微生物を寄託する必要がなくなります。

6. 特許出願または特許の司法譲渡の申請を開始するための制限期間が5年から6年に改正されました(§19)。
また、特許侵害の裁判を開始するための制限期間は5年から6年に改正されました(§59(3))。

7. 以下のものは、優先日から18ヶ月経過すれば、所定の手数料を支払うことにより、一般の閲覧に供されることになりました。
・調査報告書及び審査報告書(§34(1)(f))
・出願人が提出した特許出願に関する連絡事項のうち、登録官が決定したもの(§34(1)(g))
・出願人または第三者が提出した引用文献(特許文献及び非特許文献を含む)(§34(1)(h))

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