2018.01.26
英国によるEU離脱に関するEU商標及び共同体意匠に係る通知
英国によるEU離脱に関するEU商標及び共同体意匠に係る通知
欧州委員会及び欧州連合知的財産庁(EUIPO)は、2018年1月22日、EU商標及び共同体意匠の権利者及び出願人に対する通知を公表しました。
本通知によれば、中央ヨーロッパ時間2019年3月30日0時0分(離脱日)以降、EU商標及び共同体意匠に関するEU法令は、英国で適用されないこととなります(離脱日を他の日とする離脱協定が批准された場合は除く。)。
これを受け、EU商標及び共同体意匠の権利者及び出願人は、下記の点について注意を払う必要があります。
1.離脱日前に登録済みEU商標、登録共同体意匠及び非登録共同体意匠は、離脱日以降も、EU27加盟国において引き続き有効ですが、英国では効力を有しないこととなります。
2.離脱日前に係属中のEU商標出願又は登録共同体意匠出願は、離脱日以降、英国をカバーしないこととなります。
3.離脱日以降にEUIPOが付与した権利は、EU27加盟国のみをカバーすることとなります。
4.マドリッド制度に基づいて離脱日前に国際登録されたEU指定の商標は、離脱日以降、EU27加盟国においてのみ有効であり、英国では効力を有しないこととなります。
5.EU商標における、英国の国内商標権に基づく既存のシニオリティ主張はすべて、離脱日以降、EUにおいて効力を有しないこととなります。
以上のように、EU商標及び共同体意匠の効力は、離脱日以降英国に及ばなくなりますので、英国での権利を存続させたい出願人又は権利者については、英国知的財産庁に改めて出願を提出すべきです。また、英国における商標権又は意匠権の取得を検討中の方については、欧州連合知的財産庁ではなく英国知的財産庁に直接出願することが望ましいとされています。
なお、実際には、離脱協定に経過措置が含まれる可能性もありますので、その点には引き続き注意が必要です。
IPNews
知財情報