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インドネシア特許改正情報(申請により特許発明の実施開始時期要件を緩和)

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インドネシア特許法20条によれば、特許権者は、技術移転・投資・現地の雇用を促進するために、インドネシアにおいて特許製品の製造又は特許方法の使用を行う(特許発明を実施する)義務を負うとなっています。もし特許後3年以内に特許発明が実施されなかった場合には、第三者は実施権を強制的に設定するように申請することができ(82条)、法務省は、案件毎の事実に基づき、強制的に実施権を設定すべきかどうかを決定します。

これに関して、実施に関する要件をより明確にするために、2018年7月11日に規則が公表されました。重要なのは、特許発明を未だ実施することができない特許権者には、延長の理由と共に申請書を法務省に提出すれば、最大で5年間の延長が認められるという点です。申請すれば、更なる延長(つまり、5年以上の期間延長)も認められる可能性があります。

特許発明を実施していない理由として、以下のようなものが認められると考えられています。

(i) 3年以内に、当該特許を商業的に実施するための能力や設備がないこと

(ii) 製造したとしても、地域の利益につながるような経済的規模にはならないと思われること

特許権者は、特許後3年以内に、最初の期間延長を申請することができますが、実施要件に関する法律が2016年8月26日に発効したばかりですので、期間延長申請を提出するための3年の期限は最も早いもので2019年8月26日ということになります。

特許権者は、インドネシア特許庁や法務省に対して、特許発明が実施されてない証拠を定期的に提出する必要はありませんが、第三者から実施権の強制的な設定の申請があった場合には、当該特許発明が実施されていることを立証する必要があると考えられます。なお、検察官又は「公共の利益を代理する他者」(その他の者は対象外)は、特許発明が実施されていない場合には、当該特許の取消を申請することができます。特許発明の不実施によって自動的に取消になるということではなく、あくまで検察官又は「公共の利益を代理する他者」が特許の取消申請をした場合には、特許が取消になるかもしれないということです。但し、特許発明の不実施が公共の利益に反する場合(例えば、国家の緊急事態に特許の医薬品が必要となる場合等)以外は、検察官がそのような申請をする可能性は低いと思われます。